
スマホやカメラで撮った写真はできるだけ全て保存しておきたい。
でも消せない写真は年々増え続け、気づけばスマホの容量はパンパンです。
かと言ってGoogleやApple等のクラウドサービスはどれも割高に感じますよね。
なにか良い方法はないものか、と調べていると
自宅にNASを導入する
という方法に辿り着くことがあります。
本記事では、NASでの写真管理について
・メリット・デメリット
・実際に使ってみた感想
について解説していきます!
※Synology社の製品で構築したNASを解説します。
そもそも NASとは?
NASとは、Network Attached Storage(ネットワーク接続ストレージ)の略です。
簡単に言うと複数のパソコンやスマートフォンからアクセスできるストレージのことです。
以下の画像のようなイメージです。

つまり、プライベートなクラウドストレージサービスということですね。
自宅にNASを設置して各機器と接続すれば、写真や動画だけでなく
・録画したテレビ番組
・監視カメラの映像
・音楽
・仕事のデータ
等も保存・アクセスすることが可能です。
インターネット環境さえあれば、外出先からもアクセスできます。
そんなNASを自宅に導入するためには以下のものが必要です。
・安定した通信の有線ネットワーク
・ネットワーク接続できる記憶装置
(この機器をNASと呼びます)
・NASの記憶容量にあたる部分
(HDDと呼びますが、別売です)
・NASの設定や運用をするためのパソコン
そのため、NASの導入には上記の周辺機器に対する知識・理解が必要となります。
NASのメリット・デメリット
NASを導入できれば、将来にわたって膨大な量の写真を管理できるようになります。
では、iCloudやGoogleフォトのようなクラウドサービスと何が違うのでしょうか。
NASでの写真管理におけるメリット・デメリットを紹介していきます!
NASで写真を管理するメリット

ストレージの容量を自分で決められる
NASのストレージのサイズは、自分が選んだHDDの容量で決まります。
1TBのHDDを2枚使えば2TBのストレージ
4TBのHDDを4枚使えば16TBのストレージ
となります(基本的にHDDは2枚以上で使用します)
また、容量が足りない場合はあとから増設も可能です!
そのためNASの容量は基本的に自由自在です。
不必要な容量に無駄なコストがかかることはなく、足りなくなっても焦ることはありません。
クラウドサービスよりもトータルコストが安い
お待ちかね、NASの導入にかかる初期費用を紹介します!
この記事の読者は写真の枚数が多そうなので、2TBで比較していきます。
NAS本体・・・約35,000円
(Synology社のエントリーモデルDS223j)
HDD2枚・・・約15,000円 × 2
(2ベイNASをRAID運用するため2TB×2)
パソコンを所持していれば必要なものはこの二つのみで、約65,000円でNASを導入できます。
初期費用が高く感じますが、クラウドサービスの継続コストと比較してみます。
HDDの寿命が5年前後のため、5年分で比較します。
iCloud(2TBプラン)・・・90,000円
Googleフォト(2TBプラン)・・・78,000円
Amazon Photos(2TBプラン)・・・138,000円
高いですね・・・
おそらく容量が大きくなればなるほど、差はさらに開きます。
※サービスや商品の価格は2025年7月現在のものです。
保存すべき写真の容量は基本的には増え続けます。
そのため、クラウドサービスに支払う料金も下がることはありません。
永続的に支払い続けるのであれば、圧倒的にNASのほうがコストを抑えられるでしょう。
通信障害やサービス変更の恐れがない
各社が提供するクラウドサービスの場合、通信障害などが起こるとサービスが一時的に利用できなくなることもあります。
また、料金や容量など、サービス内容が変更される可能性もあります。
実際に、直近数年で各社とも仕様変更が発生しています。
自宅で管理するNASであれば、そのようなサービス変更やサービス終了に振り回されません。
これは非常に大きなメリットと言えます。
NASで写真を管理するデメリット

初期費用がやや高い
前項で紹介したとおり、NAS導入には少なくとも60,000円ほど初期費用がかかります。
正直よく分からないものに60,000円出すのはかなり気が引けます。
写真や動画を〇万枚、〇TBといった単位でクラウドサービスに保存している方はNASを検討すべきですが、そうでない方にはあまりオススメできません。
パソコンやネットワークに関する知識が必要
NASの導入にはパソコンやネットワークに関する基礎知識が必要になります。
たとえば、NASの導入にあたって
- NASと互換性のあるHDD選び
- ネットワークを構築してNASを接続
- フォルダごとにアクセス権限を設定
などの工程が必要です。
上記のワードを見て、頭にハテナマークが浮かぶ方には不向きかもしれません。
またNASは導入して終わりではなく、24時間365日 稼働させます。
そのために、定期的なメンテナンスやバックアップをしつつ運用する必要があります。
NASの寿命や故障への対策が必要
24時間稼働し続けるNASには、もちろん寿命があります。
一般的に
NAS本体の寿命は5~10年
HDDの寿命は3~5年
と言われています。
またHDDは強い衝撃、高温多湿、停電などによる様々な故障リスクもあります。
そのため故障や寿命によるデータ破損に備える必要があり、それにかかるコストもデメリットの一つと言えます。
実際に使ってみた感想
筆者は実際にNASを使って写真を管理しています。
3年ほど運用してみて感じたことを、紹介していきます。
結論から言うと・・・
バックアップ:スマホのバックアップは超快適 ◎
閲 覧 :アルバムは直感的で操作しやすい○
写真整理 :パソコンに不慣れだと困難 △
という感じです。
上記3つの観点でレビューしていきます!
スマホのバックアップは快適!
NASの写真にアクセスするためのスマホアプリが用意されています。
このアプリを通して、スマホの写真や動画はNASに自動バックアップされていきます。
アップロードされた写真は撮影日順に並んでいきます。
位置情報などのデータも保持されていますね。
一般的なアルバムアプリと似たような感じです。
「LINEから取得した画像やスクリーンショットもアップロード」
「Wifi接続時や充電中のみアップロード」
などの細かい設定も可能です。
しばらくアプリを使っていなくても、いつも最新の画像までアップロードされています!
(スマホの性能によっては滞ることもあるらしい)
アップロード済みの写真は、スマホ容量がいっぱいになれば本体から削除するだけ。
というわけで
スマホ写真のバックアップは超快適にできます!
写真の閲覧も簡単!
アップロード済みの写真はスマホからいつでも閲覧できます。
下の写真のように表示され、操作は直感的です。
写真の元データが必要であれば、スマホへのダウンロードも簡単です。
また、一般的なアルバムアプリにあるような
・年、月、日 単位でサムネイル表示
・メールやLINEでのデータ共有
・複数選択して削除や移動
・アルバムの作成
などの機能も搭載されていて便利です。
一方で、閲覧に際して不便な点もあります。
環境によっては読み込みに時間がかかり、見たい写真がすぐに探せないことがあります。
これはNASのパフォーマンスが周辺機器の状況によって影響を受けてしまうためです。
周辺機器の状況とは、
・NAS本体の性能
・自宅のネットワーク速度
・スマホの性能、通信速度
・キャッシュの有無
などです。
これらが一つでも欠けると、数千、数万もの写真をスムーズに表示することはできません。
これからNAS導入を検討中の方は、NAS本体の性能やスマホの性能にも留意しましょう。
ちなみに、筆者は現在80,000以上、2TB以上のデータを保存しています。
Synology社の+シリーズ、GooglePixelの組み合わせで問題なく閲覧できています。
データの整理が難しい
写真の元データの整理はやや難しいです。
一人で使う場合は特に問題ないですが、複数人・複数端末のデータを管理する場合は以下のようにフォルダ構成が複雑になります。

上の図は理想的な形ですが、このようにキレイに運用するのは実は難しいです。
そのため、
・写真データを綺麗に整理したい人
・家族と自分の写真は別々にしたい人
・アクセス権限を細かく設定したい人
などは多少パソコンの知識が必要になるので注意してください。
とは言っても、アプリ上では全ての写真が撮影日順に並びます。
元データがゴチャゴチャしていても気にならない人は特に問題ありません。
結論:どんな人におすすめ?
いかがでしたでしょうか?
メリットやデメリットをまとめると、NASは以下のような方にオススメです。
いくつか当てはまる方は、ぜひNAS導入を検討してみてはいかがでしょうか。
少しでも何かの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。





